相続のこと、考えよう vol.2 ー遺産分割編ー【ミヤウチさんのアドバイス】

相続のとき、血のつながった家族同士でも揉めるケースがあるというのは、誰しも聞いたことがあると思います。
一般的に、相続の流れの中でトラブルが起きやすいのは「遺産分割」の場面です。
特に実家や土地などの「不動産」が絡む相続では、家族の間で感情と権利が複雑に交差して思わぬ対立が生まれることもあります。
遺産分割は、家族のこれからの生活を大きく左右する大切な話題です。今回は遺産分割の基本的な流れと、今からできる対策について、地元・藤井寺で多くのご家族のご相談に乗ってきたミヤウチ建設が分かりやすく解説します。
これから家を建てる方も、ご実家の相続に不安を感じている方も、ぜひご覧ください。
1.遺産分割が争いになりやすい理由
「遺産分割」とは、相続が発生した後に、家族間で遺産をどのように分けるかを決めるプロセスのことです。
遺産分割の話題になると、「うちには分けるほどの財産がないから大丈夫」という声を耳にすることがあります。
しかし、実際にトラブルの火種になりやすいのは、現金のようなきっちり分けられる資産ではなく、不動産のような“分けにくい資産”です。特に実家となると、家族の思い入れも強く、感情的になりがちです。そのため、実家の土地・家屋がある限り、遺産分割時のトラブルは決して他人事ではないのです。
実家を誰かが継ぐのか、あるいは売却して現金を分けるのか。親族が集まってこれらの問題を話し合う機会というのは、なかなか設けられないものです。「とりあえず後回し」「そのうち話そう」と先送りにした結果、いざ相続が発生したときに互いの意見が真っ向からぶつかり、思いがけず大きなトラブルになることもあります。
2.遺産分割ってどう進む?基本の流れとキーワード
正しい形で遺言書が遺されている場合は、原則としてその内容に従ってそれぞれが相続すれば良いので、流れは非常にスムーズです。
一方で、遺言書がない場合や不備がある場合は、相続人全員で話し合い「誰がどの財産を相続するか」を決めていかなくてはなりません。これが「遺産分割協議」です。協議がまとまった場合には「遺産分割協議書」を作成し、全員の署名・押印をします。
もしも相続人同士で話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での「調停」という形で第三者を交えた話し合いになります。ここでも合意にいたらなければ、裁判所の「審判」に進むことになり、最終的には高等裁判所にまで争いが持ち込まれる可能性もあります。
ここまで大事にならないよう、先に家族間である程度の合意形成を図っておくのが賢明といえるでしょう。
3.相続財産に「家」があるとどうなる

遺産の中に家や土地などの不動産が含まれている場合、遺産分割協議が難航するケースは非常に多いです。
例えば、実家で親と兄弟のうちの誰かが同居していたとしましょう。いざ相続が発生したとき、その人がそのまま住み続けたいと希望したとしても、他の相続人から不動産の評価額も考慮したうえでの、「公平な遺産分割」を求められることがあります。
こうしたケースでは実家を売却して現金で遺産を分割するか、住んでいる人が他の人の相続分に相当するお金を払うのが一般的です。
しかし、実家に住んでいる人にとっては、住み慣れた家を手離すか、多額のお金を用意するかの二択となり、苦しい選択を迫られることになります。他の相続人と共有名義にもできますが、相続後は他の人の財産にもなるため、修繕や売却などを住んでいる人が独断で決めることができなくなります。自分の住む家でありながら権利が制限され、不便を感じる場面は多くなるでしょう。
このように、実家を含めた遺産分割協議は、法律面だけでなく家族の生活の問題も絡んでくるのが難しい点なのです。
4.家族で備える、スムーズな遺産分割のためにできること
遺産分割で無用な争いを生まないために、前もって家族でできることがあります。
まずは、早めに家族で情報を共有すること。 どんな財産があるのか、誰が将来どこに住みたいと思っているのか、元気なうちから少しずつ話しておくのがベストです。
また、遺産を遺す側の親世代の方々には、「エンディングノート」の活用もおすすめです。法的効力はありませんが、遺産について本人が明確な意思を表示しておくことで、残されたご家族の無用な争いを避けられるケースもあります。
場合によっては生前贈与や家族信託などの制度を活用し、争いの火種をできるだけ減らしておくのも効果的です。 ただし、これらの制度を利用した際には贈与税などの問題も出てくるため、法律の専門家のアドバイスを受けながら検討したほうがいいですね。
5.ご実家の相続の際も、ミヤウチ建設にご相談ください
遺産や相続などの話は重くなりがちですが、「将来的に残された家族が揉めないようにするため」あるいは「大切な実家を次の世代に確実につなぐため」と前向きに考えて、今からできる備えをしておきたいですよね。
東大阪・南大阪エリアで、長年多くのご家族と家づくりを行ってきたミヤウチ建設は、「家にまつわる相続の悩み」にも寄り添ってきました。家づくりと人生設計のパートナーとして、ミヤウチ建設は皆様からのご相談をいつでもお待ちしております!


